BALLERINA TIGHTS HAND KNIT

Photographed by Isabelle Wenzel


ALAINPAUL 2025年秋冬コレクションより、ハンドニットプロダクトにクローズアップしてご紹介します。

私たちが日々纏っている衣服には、その瞬間ごとの役割が映し出されています。
「フォーマルからカジュアルへ、オンデューティからオフデューティへ」─ 現代を生きる人々のワードローブには、こうした二面性が静かに息づいています。2025年秋冬コレクションにおいて、ALAINPAULはこの精神性を、自身の創作活動の軸でもある“パフォーマーの置かれた状況”に重ねて描き出します。
舞台上でのドレスコードと、舞台外での私的な装いのあいだに宿る緊張と調和を探求し、形式と自由が交錯するアンドロジナスな対話から生まれるシルエットは、詩的で思索的な余韻を残します。

舞台上のペルソナを脱ぎ捨て、現実の自分へと戻るオフデューティのパフォーマーを体現したハンドニットプロダクト。バレエ用のデッドストックタイツを再利用し手編みで仕上げたドレス、タートルネックセーター、Aラインスカートは、着る者の動きに応じてしなやかに揺らぐフォルムが特徴的で、舞台と現実の境界を曖昧にします。
さらに、手仕事ならではのイレギュラーな編み目や希少なデッドストック素材の質感が豊かな陰影を生み出し、視覚と感覚の両面で特別な体験をもたらし、身体と心をもつなぐ存在であることを示しています。

ALAINPAULが追求する、衣服と身体、舞台と日常の関係性を映し出すプロダクトを、ぜひこの機会にご体感ください。

Photographed by erickfaulkner